遺品整理
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片付け中に遺言書が出てきたら|開封してはいけない理由と検認の手続き

片付け中に遺言書が出てきたら|開封してはいけない理由と検認の手続き

まずこれだけ封がされた遺言書は開けない。そのまま保管して家庭裁判所へ検認を申し立てる

30秒で分かる結論

  • ・封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人等の立会いのもと開封しなければなりません
  • ・検認は遺言書の偽造・変造を防ぐ手続きで、遺言の有効・無効を判断するものではありません
  • ・申立先は遺言者の最後の住所地の家庭裁判所、費用は遺言書1通につき収入印紙800円です
⚠️今すぐ避けるべき操作
  • ✕封印のある遺言書をその場で開封しない(家庭裁判所で開封するルールです)
  • ✕遺言書を見つけたことを他の相続人に隠さない
  • ✕検認を経ないまま、遺言の内容に従って財産を動かさない
  • ✕法務局の保管制度を利用していたかどうかを確認せずに進めない

この記事のリスク判定

低:正しい手順で進めれば問題になりにくい中:判断を誤ると損をする可能性がある高:法的トラブル・詐欺被害のリスクがある
危険度:高

相続放棄との関係、無許可業者による不法投棄トラブルなど、法的な問題や詐欺被害につながりうる内容です。行動する前に必ずご確認ください。


見つけたら、開けない


実家を片付けていて、封筒に入って封をされた遺言書が出てきた。中身が気になるのは当然ですが、その場で開けないでください。


民法は、封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人等の立会いの上で開封しなければならないと定めています。裁判所もこの点を明示しています。


さらに、検認を経ないで遺言を執行したり、家庭裁判所外で開封した者は、5万円以下の過料に処するとされています(民法1005条)。


「知らずに開けてしまった」というケースは実際にあります。開封してしまったからといって遺言そのものが無効になるわけではありませんが、他の相続人から偽造・変造を疑われる材料になります。中身より先に、手続きの順番を守ることが自分を守ります。


検認とは何か


検認は、裁判所の説明によれば、相続人に対し遺言の存在および内容を知らせるとともに、遺言書の形状・加除訂正の状態・日付・署名など、検認の日現在における遺言書の内容を明確にして、偽造・変造を防止するための手続です。


重要なのは、検認は遺言の有効・無効を判断する手続きではないという点です。検認を受けたからといって「この遺言は有効だ」とお墨付きが出るわけではありません。その日時点の状態を記録する手続きだと理解してください。


内容に納得できない場合の争いは、検認とは別の問題になります。


手続きの概要


裁判所が公表している内容は次のとおりです。


| 項目 | 内容 |

|---|---|

| 申立てできる人 | 遺言書の保管者、または遺言書を発見した相続人 |

| 申立先 | 遺言者の最後の住所地の家庭裁判所 |

| 費用 | 遺言書1通につき収入印紙800円+連絡用の郵便切手 |

| 主な書類 | 遺言者の出生から死亡までの全戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本ほか |


遺言者の出生から死亡までの戸籍を遡って集める作業が必要になるため、書類の準備には時間がかかります。転籍が多い場合は特にそうです。見つけた時点で早めに動き出してください。


検認の期日には相続人が呼び出され、出席した相続人等の立会いのもとで開封・検認が行われます。全員が出席しなければ手続きが進まないわけではありません。


法務局に預けていた場合は検認不要


自筆の遺言書を法務局が保管する制度(自筆証書遺言書保管制度)を利用していた場合、検認は不要です。


法務局で保管されている遺言書については、相続人が「遺言書情報証明書」の交付を受けることで内容を確認できます。制度を使っていたかどうかは、法務局に照会して確認できます。


公正証書遺言も検認は不要です。公証役場で作成されており、原本が公証役場に保管されているためです。公証役場では遺言検索の仕組みがあり、全国の公正証書遺言の有無を調べられます。


つまり、検認が必要になるのは主に「自宅などで保管されていた自筆の遺言書」です。片付け中に出てくるのは、まさにこのパターンです。


遺言書が見つかる前に片付けを進めていた場合


遺品整理が進んだ後で遺言書が出てくることもあります。この場合、すでに処分してしまった物について問題が生じる可能性があります。


だからこそ、片付けの初期段階で「書類だけは先に確認する」という手順が効きます。通帳、権利証、契約書類、そして遺言書。中身を確認するだけなら相続財産の処分には当たりません。


関連して、相続放棄を検討している場合の注意点は相続放棄を考えているなら、遺品整理より先に確認すること、片付け中に現金や貴重品が出てきた場合は片付け中に現金・通帳・貴重品が出てきたらを参照してください。


手続き全体の期限は親が亡くなった後の手続き、期限の一覧にまとめています。


他の相続人への共有


遺言書を見つけたことは、速やかに他の相続人へ伝えてください。


隠していたと受け取られると、その後の話し合いが著しく難しくなります。内容が自分に不利に見える場合ほど、先に共有しておくべきです。 検認の手続きでは相続人が呼び出されるため、いずれ全員が知ることになります。


なお、遺言書を偽造・変造・破棄・隠匿した相続人は、相続人となることができないと民法は定めています。「見なかったことにする」は、最も避けるべき選択です。


よくある質問


# Q. 封がされていない遺言書を見つけました。開いて読んでもいいですか?


封印のある遺言書についての開封のルールが定められています。封がない場合でも、検認の手続き自体は必要です。内容を確認したうえで、そのまま保管し、速やかに検認を申し立ててください。


# Q. すでに開封してしまいました。


遺言そのものが直ちに無効になるわけではありません。 そのまま保管し、検認を申し立ててください。開封の経緯を正直に説明し、他の相続人にも伝えてください。


# Q. 遺言書の内容に納得できません。


検認は有効・無効を決める手続きではないため、その場で争うものではありません。遺留分など別の論点になるため、弁護士に相談してください。


# Q. 遺言書があるかどうか分かりません。


公正証書遺言は公証役場で検索できます。法務局の保管制度を利用していたかも照会できます。自宅保管の自筆遺言については、貸金庫や仏壇、通帳と一緒に保管されていることが多いので、書類をまとめて確認してください。


参照した公的情報





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この記事について

トシぼう

実家の片付けと相続を、自分の家族の問題として調べている個人です。専門家ではないため断定的な助言はせず、 公的機関の一次情報にもとづいて判断材料を整理しています。専門家へ相談すべき場面はその旨を明記します。 内容に誤りや古い情報を見つけた場合は、お問い合わせページからご連絡ください。確認の上、修正いたします。