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3か月で決められないときの「期間伸長」|相続放棄の期限を延ばす手続き

3か月で決められないときの「期間伸長」|相続放棄の期限を延ばす手続き

まずこれだけ判断がつかないなら、3か月が過ぎる前に期間伸長を申し立てる

30秒で分かる結論

  • ・相続放棄の3か月の期間は、家庭裁判所への申立てにより伸長できる場合があります
  • ・申立ては原則として3か月の期間内に行う必要があり、過ぎてからでは間に合いません
  • ・伸長中も財産の処分は禁物で、処分すると単純承認とみなされる可能性が残ります
⚠️今すぐ避けるべき操作
  • ✕判断がつかないまま、何もせずに3か月を過ぎさせない
  • ✕伸長の申立てを、期限を過ぎてから行おうとしない(期限内の申立てが原則です)
  • ✕伸長が認められる前提で、遺品や家財を処分しない
  • ✕相続人が複数いる場合に、他の相続人も同じ期限だと思い込まない

この記事のリスク判定

低:正しい手順で進めれば問題になりにくい中:判断を誤ると損をする可能性がある高:法的トラブル・詐欺被害のリスクがある
危険度:高

相続放棄との関係、無許可業者による不法投棄トラブルなど、法的な問題や詐欺被害につながりうる内容です。行動する前に必ずご確認ください。


3か月では足りないことがある


相続放棄・限定承認の期限は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月です(民法915条)。この期間は「熟慮期間」と呼ばれます。


しかし現実には、3か月で判断できないことがあります。


  • 故人が事業をしていて、負債の全体像がつかめない
  • 保証人になっていた可能性があるが、確認が取れない
  • 疎遠だった親族の相続人になり、財産の内容がまったく分からない
  • 不動産の評価や、金融機関への照会に時間がかかっている
  • 相続人同士の連絡が取れず、状況の共有が進まない

このとき、何もせずに3か月を過ぎるのが最悪の結末です。 期間が経過すると、民法921条2号により単純承認をしたものとみなされ、借金も含めてすべてを引き継ぐことになります。


期間は延ばせる


民法915条1項但書は、この3か月の期間は、利害関係人または検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができると定めています。


つまり、「まだ判断できない」ということ自体を理由に、時間をもらう手続きがあるということです。裁判所も、相続の承認・放棄の期間の伸長という手続きとして案内しています。


「決められないから何もしない」ではなく「決められないので延ばしてもらう」——この選択肢を知っているかどうかで、結果が変わります。


申立ての要点


期限内に申し立てること。 これが最も重要です。3か月が経過してからでは、原則として間に合いません。判断がつかないと感じた時点で、期限の日付を確認してください。


申立先は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。相続放棄の申述と同じ裁判所になります。


伸長は自動的に認められるものではありません。 財産の調査に時間を要する事情など、期間を延ばす必要性を示すことになります。どの程度延びるかも事案によります。


相続人が複数いる場合、熟慮期間は相続人ごとに別々に進行します。 ある相続人が伸長を申し立てても、他の相続人の期間が自動的に延びるわけではありません。必要な人がそれぞれ申し立てる必要があります。


手続きの詳細と必要書類は裁判所のページで確認できます。相続放棄そのものの手続きは相続放棄を考えているなら、遺品整理より先に確認することにまとめています。


伸長中にやってはいけないこと


期間が延びても、財産を処分してはいけないという点は変わりません。


民法921条1号により、相続財産の全部または一部を処分すると単純承認したものとみなされます。遺品や家財の廃棄・売却がこれに当たる可能性があります。 期間を延ばした意味がなくなるので、伸長中こそ片付けに手をつけないでください。


やってよいのは調査です。 通帳を見る、郵便物を確認する、金融機関に照会する、信用情報機関に開示請求をする——これらは処分に当たりません。伸長で得た時間は、この調査のために使ってください。


賃貸物件で明け渡しを求められている場合は、事情が複雑になります(賃貸だった実家の明け渡し)。大家に急かされても、その場で片付けを約束しないでください。


3か月を過ぎてしまった場合


期限を過ぎてから借金の存在が判明した、というケースもあります。


この場合でも、事情によっては相続放棄の申述が受理されることがあります。 相続財産がまったく存在しないと信じ、そう信じたことに相当な理由がある場合について、熟慮期間の起算点を後ろにずらして考えた判例があります。


ただし、当然に認められるものではありません。 過ぎてしまった場合こそ、自己判断せずにすぐ弁護士・司法書士へ相談してください。 時間が経つほど説明が難しくなります。


早めに専門家へ


期間伸長も、期限後の申述も、個別の事情の説明が結果を左右する手続きです。


判断に迷っている段階で、一度専門家に状況を見てもらってください。 「伸長すべきか」「放棄すべきか」「そもそも調べるべきはどこか」を整理してもらうだけでも、3か月の使い方が変わります。


費用が心配な場合は、法テラス(日本司法支援センター)の無料法律相談の利用条件を確認してください。各地の弁護士会・司法書士会でも法律相談を実施しています。


手続き全体の期限は親が亡くなった後の手続き、期限の一覧を参照してください。


よくある質問


# Q. どのくらい延ばしてもらえますか?


事案によります。必要な調査の内容と、それに要する期間を説明することになります。 一律に何か月と決まっているものではありません。


# Q. 伸長すれば必ず放棄できますか?


伸長は判断のための時間を確保する手続きであり、放棄を保証するものではありません。期間内に財産を処分してしまえば、伸長していても単純承認とみなされる可能性が残ります。


# Q. 兄弟がすでに相続放棄をしました。自分の期限は?


熟慮期間は相続人ごとに進行します。また、先順位の相続人が放棄したことで自分が相続人になった場合、その事実を知った時から3か月が始まります。自分の起算点がいつかを確認してください。


# Q. 何を調べれば借金の有無が分かりますか?


郵便物(請求書・督促状)、通帳の入出金、契約書類の確認が入口です。信用情報機関への開示請求という方法もあります。調べ方が分からない段階で専門家に相談するのが、結果的に早いです。


参照した公的情報






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この記事について

トシぼう

実家の片付けと相続を、自分の家族の問題として調べている個人です。専門家ではないため断定的な助言はせず、 公的機関の一次情報にもとづいて判断材料を整理しています。専門家へ相談すべき場面はその旨を明記します。 内容に誤りや古い情報を見つけた場合は、お問い合わせページからご連絡ください。確認の上、修正いたします。