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配偶者は1億6,000万円まで相続税がかからない|使い方を誤ると次の相続で損をする

配偶者は1億6,000万円まで相続税がかからない|使い方を誤ると次の相続で損をする

まずこれだけ母が全部相続する前に、次の相続まで含めた試算を税理士に依頼する

30秒で分かる結論

  • ・配偶者は「1億6,000万円」と「法定相続分相当額」のいずれか多い方まで相続税がかかりません
  • ・この軽減を受けるには、相続税の申告書に明細を記載して提出する必要があります
  • ・配偶者に寄せすぎると、その配偶者が亡くなったときの二次相続で税負担が増えることがあります
⚠️今すぐ避けるべき操作
  • ✕「配偶者が全部相続すれば無税だから」と、次の相続を考えずに決めない
  • ✕軽減の適用を受けるのに申告が必要であることを見落とさない
  • ✕申告期限までに分割がまとまらない場合の手続き(分割見込書)を忘れない
  • ✕隠したり仮装したりした財産に軽減が及ばないことを知らずに申告しない

この記事のリスク判定

低:正しい手順で進めれば問題になりにくい中:判断を誤ると損をする可能性がある高:法的トラブル・詐欺被害のリスクがある
危険度:中

費用面・業者選びなどで判断を誤ると、想定より高額な請求や手間の増加につながることがあります。契約前の確認事項を先にご確認ください。


制度の内容


配偶者が相続した財産については、大きな軽減措置があります。国税庁の説明によれば、配偶者に相続税がかからない金額は次のいずれか多い方です。


1億6,000万円 / 配偶者の法定相続分相当額

法定相続分は、子がいる場合は2分の1です。つまり、遺産が3億円で子がいる場合、配偶者の法定相続分は1億5,000万円ですが、1億6,000万円のほうが多いのでそちらが基準になります。遺産が10億円なら、法定相続分の5億円が基準になります。


多くの家庭では、配偶者が相続する分に相続税はかからないということです。制度としては非常に大きな軽減です。


なお、隠蔽または仮装されていた財産は、この軽減の対象になりません。


申告しなければ適用されない


小規模宅地等の特例と同じ落とし穴があります。


この軽減を受けるには、相続税の申告書に税額軽減の明細を記載し、戸籍謄本や遺産分割協議書の写しなど一定の書類を添えて提出する必要があります。


「軽減を使えば税額がゼロだから申告しなくていい」は誤りです。 申告して初めて適用されます。


申告期限は相続開始を知った日の翌日から10か月です(親が亡くなった後の手続き、期限の一覧)。


分割がまとまっていない場合


申告期限までに分割されていない財産は、原則として軽減の対象外です。


ただし救済があります。「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して申告し、期限から3年以内に分割すれば対象になります。 さらに、やむを得ない事情がある場合は税務署長の承認を受けて延長できる取り扱いもあります。


分割が長引きそうな時点で、税理士に相談してください。 手続きを踏まずに期限を過ぎると、使えたはずの軽減が使えなくなります(遺産分割協議書は何のために作るのか)。


「とりあえず全部母が相続」の落とし穴


ここが実務上の要点です。


軽減が大きいため、「母が全部相続すれば相続税はかからない」という結論に飛びつきがちです。父の相続(一次相続)だけを見れば、確かにそのとおりです。


しかし、その母がいずれ亡くなります(二次相続)。 そのときの状況を考えてください。


| | 一次相続(父の死亡) | 二次相続(母の死亡) |

|---|---|---|

| 相続人 | 母+子 | 子のみ |

| 配偶者の軽減 | 使える | 使えない(配偶者がいない) |

| 基礎控除 | 3,000万円+600万円×相続人の数 | 相続人が1人減るぶん、控除額も減る |


一次相続で母に寄せた財産は、そっくりそのまま二次相続の課税対象になります。 そして二次相続では配偶者の軽減が使えず、基礎控除も小さくなります。


結果として、一次と二次を合計した税額は、母に全部寄せたほうが大きくなることがあります。


どう分けるのが有利かは、財産の規模・構成・相続人の数によって変わります。 一般論では決まりません。遺産の規模が基礎控除を明らかに超えるなら、分け方を決める前に税理士へ試算を依頼してください。


実家をどうするかとの関係


実家の土地には小規模宅地等の特例(330㎡まで80%減額)があり、誰が取得するかで適用の可否が変わります(実家の土地の評価が8割減る「小規模宅地等の特例」)。


配偶者の軽減と小規模宅地等の特例は、組み合わせて考える必要があります。


  • 配偶者が実家を取得すれば、小規模宅地等の特例は無条件で使える
  • しかしその実家は、二次相続でそのまま課税対象になる
  • 同居している子が取得すれば、その子も特例を使える可能性がある

「税額を今ゼロにする」ことと「一次・二次の合計を小さくする」ことは、しばしば別の答えになります。 分け方を決める前に、両方の観点で試算してもらってください。


よくある質問


# Q. 相続税がかからないなら申告は不要ですよね?


必要です。 この軽減は申告することで適用されます。軽減の適用前の金額で基礎控除を超えるなら、申告してください。


# Q. 内縁の配偶者にも適用されますか?


この軽減は法律上の配偶者を対象とする制度です。戸籍上の配偶者であることが前提になります。


# Q. 母が高齢で、二次相続もすぐに来そうです。


その懸念はまさに正しい視点です。 一次と二次を通した試算を税理士に依頼してください。母の年齢や健康状態も判断材料になります。


# Q. 母が全部相続したうえで、後から子に贈与すればいいのでは?


贈与には贈与税があり、税率は相続税より高くなる場合があります。安易な移転は逆効果になりえます。 必ず税理士に確認してください。


参照した公的情報






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この記事について

トシぼう

実家の片付けと相続を、自分の家族の問題として調べている個人です。専門家ではないため断定的な助言はせず、 公的機関の一次情報にもとづいて判断材料を整理しています。専門家へ相談すべき場面はその旨を明記します。 内容に誤りや古い情報を見つけた場合は、お問い合わせページからご連絡ください。確認の上、修正いたします。