相談件数は毎年100件前後で推移している
遺品整理サービスをめぐる契約トラブルは、一部の悪質な業者だけの問題ではありません。国民生活センターが公表した資料によると、遺品整理サービスに関する相談件数は「2013年度は73件、2014年度は109件、2015年度は90件、2016年度は114件、2017年度は105件」と、継続的に一定数の相談が寄せられています。
高齢化に伴って遺品整理の需要自体が増えている中で、契約トラブルも構造的に発生し続けている分野だといえます。
どんなトラブルが起きているのか
国民生活センターが紹介する相談事例では、主に次の4つのパターンのトラブルが報告されています。
- 不完全なサービス提供:依頼した作業が適切に完了していない
- 高額な追加請求:事前の説明なしに、想定外の費用を請求される
- 不透明な契約内容:サービスの範囲があいまいで、複数の追加費用が後から発生する
- 遺品の扱いに関する不適切な対応:処分してほしくなかった物まで処分されてしまう等
いずれも、契約前の説明や見積もりの段階で防げた可能性のあるトラブルです。
国民生活センターが挙げる注意点
これらのトラブルを避けるため、国民生活センターは消費者に対して次のような点を確認するよう呼びかけています。
1. 契約前に十分な説明を受けたか確認する:作業内容・料金・所要時間について、口頭だけでなく書面での説明を求める
2. 見積書の内訳を確認する:「一式」ではなく、作業項目ごとの金額が明記されているか
3. 許可資格を確認する:不用品回収の無許可業者トラブルに注意で解説している一般廃棄物処理業の許可の有無
4. 追加費用が発生する条件を事前に協議する:「予想以上に荷物が多かった場合」等、追加料金が発生しうるケースを契約前に確認しておく
5. 信頼できる業者を選ぶ:複数社から見積もりを取り、対応や説明の丁寧さも比較材料にする
遺品整理の費用相場や遺品整理士とは何かも、業者選びの判断材料としてあわせてご確認ください。
トラブルになってしまった場合
契約後に高額な追加請求をされた、説明と違う作業をされた等のトラブルが発生した場合は、その場で支払いを確定させず、最寄りの消費生活センター(消費者ホットライン「188」)に相談することができます。信頼できる業者を最初から選ぶには、実績のある業者から複数見積もりを取ることが一番の予防策です。
よくある質問
# Q. 訪問見積もりを断られました。大丈夫でしょうか?
遺品の量や状態は現地でなければ正確に把握できないため、訪問見積もりを行わず電話やメールだけで金額を提示する業者は注意が必要です。正確な見積もりのためにも、訪問での確認を求めることをおすすめします。
# Q. 見積もりより高い金額を請求されました。支払わなければいけませんか?
契約時の見積書に記載のない追加請求について、その場で支払う前に、まず内容の説明を求めてください。納得できない場合は、支払いを保留し、消費生活センターに相談することができます。
# Q. 遺品を勝手に処分されてしまいました。
事前に「処分しないでほしい物」を明確に伝え、可能であれば書面やリストに残しておくことがトラブル予防になります。すでに処分されてしまった場合は、業者との契約内容を確認したうえで、消費生活センターに相談してください。
