「片付けが終わらないから放置」が一番危険
実家を相続したものの、遺品や荷物の片付けが終わらず、そのまま誰も住まない状態が続いてしまうケースは少なくありません。しかし国土交通省の公式情報によると、こうした空き家の放置は、法律上の対応や税負担の面で見過ごせないリスクにつながります。
空家法にもとづく2つの指定区分
「空家等対策の推進に関する特別措置法」(空家法)は平成26年に制定された法律で、市区町村が管理の行き届いていない空き家に対応するための枠組みを定めています。
- 特定空家:倒壊の危険性が高いなど、衛生・防犯面で周囲に著しく悪影響を及ぼしている状態の空き家
- 管理不全空家:令和5年の法改正で新設された区分で、特定空家ほどではないものの「適切に管理がされていない」空き家
管理不全空家は、いわば「特定空家予備軍」であり、この段階から市区町村の指導対象になる点が、法改正後の大きな変化です。税制面だけでなく、放置そのものが建物の倒壊・害虫発生等の具体的なリスクにつながる点は空き家を放置する具体的なリスクと、最低限やっておきたい管理で整理しています。
放置すると固定資産税が上がる可能性
国土交通省の公式情報では、特定空家・管理不全空家に指定され、市区町村からの勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例が適用されなくなると説明されています。
住宅用地特例とは、住宅が建っている土地の固定資産税課税標準額を通常1/6に軽減する措置です。この特例が外れると、更地と同等の税額に近づくため、結果として税負担が大きく増える可能性があります。
相続した実家、何から始めればいいか
国土交通省は、相続した実家について「しまう(除却)」「活かす(活用)」のいずれかの行動を早めにとることの大切さを呼びかけています。
- しまう(除却):解体して更地にする、または売却する
- 活かす(活用):賃貸に出す、リフォームして住む・活用する
どちらの方針を選ぶにしても、共通して必要になるのが家の中の片付けです。遺品や不用品が残ったままでは、売却の内覧も、賃貸募集も、解体の見積もりすら進められません。実家の片付け、何から始める?もあわせてご確認いただき、まず片付けの見通しを立てることから始めることをおすすめします。自分たちだけで片付けきれる分量か不安な場合は、業者に見積もりだけでも相談してみると、方針が決めやすくなります。
よくある質問
# Q. すぐに解体・売却しないといけませんか?
いいえ、法律上すぐに解体・売却が義務付けられるわけではありません。ただし、管理が不十分な状態が続くと、特定空家・管理不全空家に指定されるリスクが高まります。まずは定期的な状態確認と、片付けの見通しを立てることから始めてください。
# Q. 遠方に住んでいて、実家の管理が難しいです。
国土交通省は「不動産・相続などの専門家に相談」することを勧めています。片付け業者や不動産会社など、複数の専門家に相談しながら、無理のない方針を決めていくとよいでしょう。
# Q. 固定資産税の特例が外れると、具体的にどのくらい上がりますか?
金額は土地の評価額や自治体によって異なるため一概には言えませんが、住宅用地特例(通常1/6軽減)が適用されなくなることで、更地に近い税額になる可能性があります。お住まいの自治体の固定資産税担当窓口で確認することをおすすめします。
