放置すると具体的に何が起きるのか
実家を相続したら空き家のまま放置してはいけない理由では税制上のリスク(固定資産税の軽減措置が受けられなくなる可能性)を紹介しましたが、それ以前に、建物自体にも次のような具体的なリスクが生じます。国土交通省が挙げているものです。
- 倒壊の危険:傷みが進むと、建物自体が倒壊する危険性がある
- 部材の落下:外装材や屋根材の破損を放置すると、それらが落下する危険性がある
- 害虫の発生:ねずみや害虫が大量発生し、不衛生な状態になる
- 景観の悪化:ごみの散乱や外壁の破損・汚損が景観を損ねる
- 悪臭:腐敗した動物の糞尿やごみが悪臭の原因になる
- 不法侵入:壊れた窓等から不法侵入者が出入りし、周辺地域の治安悪化につながる
- 枝のはみ出し:隣地や道路に枝がはみ出し、建物を傷つけたり通行を妨げたりする
「まだ見た目は大丈夫」と感じていても、これらは時間の経過とともに進行します。特に倒壊・部材落下は、近隣の人や通行人に被害が及ぶ可能性がある点で、早めの対応が必要です。
除却・活用がすぐにできなくても、管理は必要
実家をすぐに解体(除却)したり、賃貸・売却(活用)したりする判断がまだできていない場合でも、国土交通省は「適切な管理が不可欠」としています。放置ではなく、判断を先延ばしにする間も最低限の管理を続けることが前提とされています。
具体的には、国土交通省が「空き家管理チェックリスト」を公開しており、これを使って定期的に状態を確認することが推奨されています。一般的に管理の基本とされるのは次のような点です。
- 定期的な換気(湿気・カビ・害虫の発生を防ぐ)
- 定期的な通水(水道管の悪臭・詰まりを防ぐ)
- 庭木・雑草の手入れ(隣地への越境・害虫発生を防ぐ)
- 郵便受けの整理(不在が外から分かりにくくする)
遠方に住んでいて自分で管理できない場合
国土交通省は、「点検や補修に自信がない、遠隔地にお住まいなどでご自身による管理が難しい場合は、空き家管理業者や修繕業者などの利用を検討しましょう」としています。実家が遠方にあり頻繁に通えない場合、無理に自分だけで管理しようとせず、外部の管理サービスを利用するのも現実的な選択肢です。
よくある質問
# Q. 水道・電気は止めてしまってもいいですか?
電気は状況に応じて判断できますが、水道を完全に止めて通水を一切しないと、排水管が乾燥して下水からの悪臭が室内に上がってくることがあります。定期的な通水が推奨されています。
# Q. 管理はどのくらいの頻度で行えばいいですか?
国土交通省のチェックリストを参考に、少なくとも季節ごと(年4回程度)は状態を確認することが望ましいとされています。台風・大雪等の後は、通常の頻度に関わらず確認することをおすすめします。
# Q. 管理と片付け(残置物の処分)はどちらを先にすべきですか?
建物の傷みが進んでいる場合は管理(換気・通水・補修)を優先し、並行して残置物の片付け方針を決めていくのが現実的です。片付け自体の進め方は実家の片付け、何から始める?も参照してください。
